Dec 19, 2010

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 中部電力の水野明久社長は9日の会見で浜岡原発の停止を決めた理由について「首相の要請は極めて重いと受け止めた」と語った。また、「50ヘルツ地域への電力融通を取りやめる」と述べ、東京電力管内への供給を停止することを明らかにした。 

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〔用語解説〕「浜岡原発」


 東京電力が、福島第1原子力発電所事故の損害賠償問題にからみ、先に決めた役員報酬の削減幅の拡大を検討していることが8日、分かった。東電は4月25日に清水正孝社長ら常務以上の取締役は半減、執行役員は40%減額すると発表したが、国が公的資金を拠出して支援する損害賠償の枠組みの検討が進むなか、政府内から「不十分」との声が高まっていた。

 政府は8日に枠組みに関する関係閣僚会議を開き、支援案の取りまとめを見送る一方で、東電に追加リストラを要請する方針で一致した。支援案は、東電を含む原発を持つ電力会社9社が「新機構」を設立。国も公的資金を拠出し、機構を通じて東電に融資や出資を行い、円滑に賠償金を支払えるようにする仕組み。公的資金は東電と電力業界が分割で返済する。

 賠償負担のため、電気料金が引き上げられる可能性があり、国民の理解を得るには報酬カットの拡大のほか、一段の人員削減や資産売却が必要と判断した。

 東電は役員報酬カットのほか、社員の給与についても課長級以上の管理職が約25%、一般社員は約20%を減額すると発表した。これに対し、海江田万里経済産業相が、「まだカットの仕方が足りないと思っている」と述べるなど批判が出ていた。東電としても支援を受けるには、象徴的な報酬カットの拡大が避けられないと判断した。

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 中部電力は9日、臨時取締役会を開き、菅首相による浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)の全面停止要請を受け入れることを正式に決めた。

 稼働中の4、5号機の運転を数日以内に停止し、7月に再開予定だった3号機の運転も見送る。停止期間は、防波壁の建設工事など津波対策が完了する2〜3年程度になる見通しだ。

 臨時取締役会後、中部電力本店(名古屋市)で記者会見した水野明久社長は、要請受け入れの理由について、「首相からの要請は極めて重いと受け止めた」と述べた。その上で、東京電力福島第一原子力発電所の事故を踏まえ、「原子力に対する不安を真摯(しんし)に受け止め、安全を最優先する考えを貫くべきだと判断した」と説明した。

 全面停止により、中部電力は2011年度に計画していた電力供給力の12%にあたる約360万キロ・ワットを失う。

 浜岡原発の全面停止を受け入れた中部電力には多くの経営課題が待ち受ける。休止中の火力発電所を稼働させるなどして、電力の安定供給を継続する方針だが、火力発電用の液化天然ガス(LNG)の調達費用の増加で、12年3月期の営業赤字転落は確実。1951年の会社設立以来初めてで、株主から経営責任を追及される可能性もある。水野明久社長は当面は電気料金を値上げしない方針を示したが、極めて厳しいかじ取りを迫られる。【工藤昭久】

 ◇燃料費増で…原発推進変えず

 浜岡原発の全面停止により7〜8月は想定される夏のピーク時の最大消費電力(2560万キロワット)に対して供給余力が逼迫(ひっぱく)する。このため、中部電は休止中の火力発電所の稼働や関電など他の電力会社からの電力供給を受けて乗り切る方針を表明した。しかし、気温が1度上昇すると「電力需要が80万キロワット増加し、綱渡りの状態」(幹部)といい、計画停電を本当に回避できるかどうかは不透明だ。

 中部電は4月下旬の決算発表で12年3月期の営業利益予想を1300億円と発表していた。しかし、今後は火力発電所用の燃料費負担増で約2500億円程度のコスト増となる見通し。営業利益が吹き飛ぶ計算で、中部電は「合理的に業績を予想することが困難」だとして、12年3月期連結決算の業績予想を「未定」に修正した。水野社長は「赤字転落の可能性は否定できない」と話した。当面は電気料金の値上げはせず経営努力で乗り切る方針だが、具体的な経費削減策はこれからだ。水野社長は会見で、「(政府に対して)費用増加分の軽減策など十分な支援をお願いしている」と話すのがやっとだった。

 また、9日の東京株式市場では中部電の株価は急落。経営責任を株主から問われる可能性がある。中部電は「安全対策を施し、地元、国民のみなさまの信頼をえて事業を継続していく。長い目で見れば株主の利益に資する」(水野社長)と説明するが、理解を得られるかどうかは分からない。

 水野社長は「多くのエネルギーの燃料を輸入している日本で原子力発電を推進することに変わりはない」と述べたものの、浜岡は中部電が保有する唯一の原発だ。浜岡原発3〜5号機については、防波壁の設置完了などの津波対策を講じれば運転再開を認めると海江田経済産業相から確約を得たというものの、設置までには2年はかかる見通しだ。16年には、浜岡6号機の着工を目指すが「今話せる段階ではない」と口をつぐんだ。

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