Apr 20, 2009
会計事務所の紹介、効果的なプロフィール
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[カイロ 7日 ロイター] エジプトのムバラク大統領は、少なくとも当面は窮地を脱したのかもしれない。即時辞任を求めるデモ行動は続いており、今後もさまざまな展開が予想されるエジプト政局だが、とりあえずは威厳ある存在感を何とか保った格好だ。
現在82歳のムバラク大統領は、国民向け演説を2回行ったり新内閣の閣議を開催したりと絶え間なく国営テレビに登場し、権力を掌握している大統領像を繰り返し示している。政府が行ったムスリム同胞団など野党勢力との協議も、ムバラク大統領の巨大な肖像画が見守る中で行われた。
ムバラク大統領は、自身の功績に疑問を持つそぶりさえ見せず自信に満ちあふれており、エジプトの治安と安定を守り国民のために尽くす、優しく疲れ知らずの指導者としてふるまっている。自身が辞任すれば国は大混乱に陥るとも語っている。
過去2週間続く反政府デモは、ムバラク大統領の30年にわたる独裁体制を動かし、前例のない妥協案を引き出させた。しかし、反体制派が根強く要求するムバラク大統領の即時辞任の実現は、まだ先のことになりそうだ。
政府は差し当たり、再び優勢に立っているように見える。変化のペースをコントロールし、エジプトの将来を話し合う協議に野党勢力を招き入れている。政府は、スレイマン副大統領の主導で6日に行った野党勢力との1回目の協議後に声明を発表し、ムバラク大統領の退陣の日程を政府がコントロールする意向をはっきりと示した。
中東問題アナリストのラミ・コウリ氏は「ムバラク大統領は差し迫った嵐をやり過ごした。しかし深い痛手を負っている」と指摘。「依然として権力の座にあるが、弱まっている。政権は倒れてはいないが、間違いなく揺らいだ」とし、向こう数カ月のうちに退陣圧力が抵抗できないほど強まれば、表舞台を去る口実として健康問題が使われる可能性があるとの見方を示した。
<深い傷>
協議にも携わったアルアハラム政治戦略研究所のAmr Elchoubaki氏は「政権は生き残りと存続を図るための措置を講じているが、政治体制の中では大統領がもっと弱い部分だ」と語る。
専門家らは、辞任に追い込まれたチュニジアのベンアリ前大統領とムバラク大統領の違いは、大統領自身の能力ではなく、軍部からの強い支持を確保していることだと指摘する。
ムバラク大統領は9月の次期大統領選への不出馬を明らかにし、30年に及ぶ在任期間中で初めて副大統領を指名。次男のガマル・ムバラク氏も後継候補から外れた。
こうした動きは、これまで反体制派の要求をほぼ黙殺してきた政府の大きな譲歩と言える。強硬的な反体制派はムバラク大統領の居座りを拒んでいるが、一部の現実路線派からは、せめてスレイマン副大統領に権限を委譲するよう求める声も出始めている。
コウリ氏は「反政府デモは体制に重要なメッセージを送り、政権は大幅な譲歩を見せたが、それも統制の範囲内だった。当局は、自分たちが運転席にいられる限り譲歩に前向きであることを示した」としている。
<潮流の変化>
「ナイル革命」ともよばれる今回のエジプト騒乱で情勢に変化が現れたのは、野党勢力が一枚岩ではなく、共通の基盤を持っていないことが一因。ムバラク大統領に対する辞任要求さえ、もはや以前ほど足並みはそろっていない。
また野党勢力の一部からは、硬直化した政治システムを変えるために必要な複雑な憲法改正には、ムバラク大統領の存在が不可欠だとの声も聞かれる。政府との協議は、スレイマン副大統領のもとで自由で公正な選挙ができるかという点で、憲法上すぐに行き詰まる可能性がある。副大統領は権限を委譲されたとしても議会を解散できないなど制限があるからだ。
政府との協議にも関係した政治専門家は、匿名を条件に「今われわれの前にあるのは、1月25日以後のエジプトの新たな現実だ。問題はどれだけ早く選挙に向けて動けるかだ」と指摘。「全員が合意できる大統領選挙を行うため、選挙のためのプロセスとして憲法改正か新憲法が必要だ」と述べた。
しかし、こうした議論は何カ月もかかる可能性があるため、政府側の思うつぼで、ムバラク大統領の9月までの任期を確かなものとする。ムバラク政権が延命すれば、変化を求めるエジプト市民の間には不穏な空気が再び強まり、反政府デモに戻る者が大勢出てくるかもしれない。
(ロイターニュース 原文:Samia Nakhoul、翻訳:宮井 伸明、編集:植竹 知子)
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